日本に住んでいると、リスを見かける機会はそれほど多くありません。
動物園や観光地、自然豊かな場所に行けば見ることがありますが、普段の生活の中でリスが道路を横切ったり、公園を走り回ったりする光景は珍しいでしょう。
ところが、アメリカに行くと少し事情が違います。
公園を歩いているとリスが走っている。
木の上をリスが移動している。
大学のキャンパスにもリスがいる。
住宅街でも見かける。
「え、こんなに普通にいるの?」
アメリカに初めて行った日本人なら、そんな印象を持つ人も少なくありません。
そして面白いのが、アメリカ人にとってリスは「珍しい動物」ではないということです。
むしろ、かなり身近な存在。
ただし、「アメリカ人はみんなリスが大好き」というわけでもありません。
かわいい動物として楽しむ人がいる一方で、庭を荒らしたり、鳥の餌を横取りしたり、家に入り込んだりすることから、迷惑な存在として扱う人もいます。
この記事では、日本人とアメリカ人のリスに対する距離感の違いを紹介します。
日本人にとってリスは「ちょっと珍しい動物」
日本では、野生のリスを日常的に見る機会はそれほど多くありません。
もちろん日本にもニホンリスなどが生息していますが、都市部で生活している人にとっては、普段から目にする動物ではないでしょう。
そのため、日本人がリスを見ると、
「かわいい!」
「野生のリスだ!」
「写真を撮りたい!」
となりやすいのではないでしょうか。
特に、海外旅行中に公園でリスを見つけると、つい写真を撮りたくなる人もいるでしょう。
私自身もアメリカにいたとき、
「こんなところにもリスがいるのか」
と驚いた記憶があります。
ところが、アメリカ人にとっては少し違います。
アメリカではリスが街中に普通にいる
アメリカでは、都市部や郊外の公園、大学キャンパスなどでリスを見かけることがあります。
特に北米で一般的なハイイロリス(Eastern gray squirrel)は、都市環境にも適応していることで知られています。
現在では都市部で非常によく見かける動物ですが、実は「昔からアメリカの街に大量にいた」というわけではありません。
19世紀には、都市の公園などにリスを意図的に導入する動きがありました。
当時は、都市の中に自然を感じられる場所を作るという意味でも、リスは歓迎されていたのです。
ニューヨーク、フィラデルフィア、ボストンなどの都市にもリスが導入されていきました。
つまり、現在では当たり前のように見える「街中のリス」には、実はアメリカの都市化と自然観の歴史が関係しています。
アメリカ人にとってリスは「身近な野生動物」
アメリカで面白いのは、リスがペットでも家畜でもないのに、人間の生活圏にかなり近いところで暮らしていることです。
公園のベンチの近くを走ったり、木の下で木の実を探したり、人間の近くで生活しています。
そのため、アメリカ人にとってリスは、
「珍しい動物」
というより、
「近所にいる野生動物」
という感覚に近いでしょう。
日本でいうと、地域によってはハトやカラス、野良猫などに近い存在として考えるとイメージしやすいかもしれません。
もちろん、リスとハトやカラスが同じという意味ではありません。
「わざわざ動物園まで行かなくても、普通に生活圏で見かける動物」という距離感です。
でも、アメリカ人全員がリス好きというわけではない
ここは記事を書くうえで重要なポイントです。
「アメリカではリスが大人気!」
と書いてしまうと、少し単純化しすぎます。
実際には、リスをかわいいと思う人もいれば、迷惑な動物だと思う人もいます。
National Wildlife Federationは、アメリカ人のリスへの反応について、リスを「楽しみ」と考える人と「厄介者」と考える人の両方がいることを紹介しています。
「かわいい!」派
リスの動きは非常にコミカルです。
木を登ったり、地面を走ったり、木の実をくわえて移動したりします。
人間の生活圏に近いところまでやってくることもあるため、
「見ていて面白い」
「かわいい」
と感じる人もいます。
アメリカの大学キャンパスなどでは、リスが学生生活の一部のように扱われることもあります。
「迷惑!」派
一方で、リスは野生動物です。
庭の植物を荒らしたり、鳥の餌を食べたり、住宅に入り込んで巣を作ったりすることがあります。
特に鳥の餌台を設置している家庭では、
「鳥に餌をあげたいのに、リスが全部食べてしまう」
という問題が起こることがあります。
実際、ミネソタ大学のExtensionでも、鳥の餌台にリスが来て餌を盗む場合には、リス対策が必要になることを紹介しています。
つまり、
「かわいいけど、家の周りに来すぎると困る」
という複雑な関係なのです。
「リス対策グッズ」が存在するほど身近
アメリカの住宅街を見ていると、この距離感がさらに分かります。
例えば鳥の餌台を設置している家庭では、リスが餌を食べないようにするための「squirrel-proof feeder(リス対策の餌台)」などが使われています。
これは日本人からすると、少し不思議に感じるかもしれません。
日本人:
「リスが来た!かわいい!」
アメリカ人:
「またリスが餌を食べてる……」
という違いが起こるわけです。
もちろん、すべてのアメリカ人がこの反応をするわけではありません。
ただ、リスが日常生活に入り込むほど身近だからこそ、「かわいい」と「迷惑」の両方の感情が生まれるのでしょう。
実は昔のアメリカではリスがもっと歓迎されていた
さらに面白いのが、アメリカ人とリスの関係には歴史的な変化があることです。
19世紀には、都市の公園などにリスを導入し、人々が餌を与えることもありました。
「都会の中でも自然を感じられるようにする」という考え方です。
当時のリスは、都市生活に自然を持ち込む存在として歓迎されていました。
しかし、リスが増えて人間との距離が近くなるにつれて、次第に「かわいい野生動物」だけではなく、「厄介な動物」という側面も強くなっていきました。
つまり、
珍しい → かわいい → 身近になる → 場合によっては迷惑
という変化があったわけです。
これは日本人がリスに対して感じる印象との大きな違いかもしれません。
アメリカの「リス」は日本人が思っているよりずっと身近
日本人がアメリカのリスを見ると、
「野生のリスをこんなに近くで見られるなんて!」
と感じるかもしれません。
しかしアメリカ人からすると、
「いつものリス」
という感覚だったりします。
もちろん地域差はあります。
アメリカは非常に広い国なので、どこでも同じようにリスがいるわけではありません。
それでも、都市部や郊外でリスを見かけること自体は、アメリカではそれほど珍しいことではありません。
だからこそ、旅行者と現地の人では同じリスを見ても反応が違います。
日本人旅行者:
「リスだ!写真撮ろう!」
アメリカ人:
「また庭に来てるな……」
この温度差が、個人的にはアメリカのリス文化の面白いところだと思います。
リスは「アメリカの日常」を感じられる動物
アメリカというと、自由の女神、ハンバーガー、巨大なショッピングモール、広い道路などをイメージする人が多いかもしれません。
しかし、実際にアメリカで生活すると、もっと小さなところに「日本との違い」を感じることがあります。
その一つがリスです。
日本では「ちょっと珍しい動物」だったリスが、アメリカでは公園や住宅街で普通に生活している。
しかも、かわいがられることもあれば、迷惑がられることもある。
そんなリスを見ると、
「この動物、本当にアメリカでは身近なんだな」
と感じます。
旅行先でリスを見つけたら、ぜひ観察してみてください。
日本人にとっては珍しい光景でも、そこにいるアメリカ人にとっては、いつもの日常なのかもしれません。
まとめ
日本人にとってリスは、普段の生活ではあまり見ることのない「珍しくてかわいい動物」という印象が強いでしょう。
一方、アメリカでは都市部や郊外の公園、大学キャンパスなどでリスを見かけることがあり、「身近な野生動物」として存在しています。
ただし、アメリカ人がみんなリス好きというわけではありません。
リスの姿を楽しむ人がいる一方、庭を荒らしたり鳥の餌を横取りしたりすることから、迷惑な存在として考える人もいます。
つまり、アメリカにおけるリスは、
「珍しい動物」ではなく「身近な野生動物」
というのが、日本人との大きな違いです。
旅行中に公園でリスを見つけたら、「アメリカ人にとっては、これが日常なんだ」と考えてみると、少し違ったアメリカの風景に見えてくるかもしれません。
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