アメリカ人は日本人ほど会話中に頷かない?
アメリカ人と英語で話していると、
「なんだか日本人より頷かないな」
と感じたことはありませんか?
日本人同士の会話では、
「うんうん」
「なるほど」
「そうなんですね」
などと言いながら、相手の話に合わせて何度も頷くことがあります。
一方、アメリカ人との会話では、日本人同士の会話ほど頻繁に頷かないように見えることがあります。
これは単なる印象ではありません。
日本語とアメリカ英語の会話を比較した研究では、日本語の会話では、アメリカ英語の会話よりも聞き手による相づちや頭の動きが多く見られることが報告されています。
ただし、
「アメリカ人は頷かない」
とまで言ってしまうのは正確ではありません。
アメリカ人ももちろん頷きます。
重要なのは、頷く頻度やタイミング、そして頷きが持つ役割に違いがあるということです。
日本人は「聞いています」を頷きで伝える
日本の会話で特徴的なのが「相づち」です。
例えば、相手が話している途中でも、
「昨日会社でこんなことがあって……」
「うんうん」
「それで、その後に上司が……」
「へえ」
「結局こうなったんですよ」
「そうなんですね」
というように、話の途中で聞き手が反応します。
頷きも同じです。
相手の話を聞きながら、
コクッ、コクッ、コクッ
と何度も頷く人も珍しくありません。
この頷きは、必ずしも
「あなたの意見に賛成です」
という意味ではありません。
むしろ、
「話を聞いています」
「続けてください」
「あなたの話についていっています」
というサインとして使われることがあります。
日本語の会話では、こうした相づちや頷きが非常に頻繁に使われることが研究でも指摘されています。
日本人にとって「頷く=同意」とは限らない
ここは日本人とアメリカ人のコミュニケーションを考えるうえで、特に面白いポイントです。
日本人が話を聞きながら頷いているからといって、
「その意見に賛成している」
とは限りません。
例えば、
「最近、この会社の制度ってちょっと問題だと思わない?」
と聞かれて、
「うん、うん」
と頷いたとしても、
必ずしも「私もその意見に完全に同意します」という意味ではありません。
「話は聞いています」
「言いたいことは分かります」
という意味で頷いている可能性もあります。
つまり、日本人にとっての頷きには、
同意だけではなく「聞いている」という意味も含まれている
わけです。
アメリカ人の「頷き」は少し違う
一方、アメリカ人も会話中に頷きます。
ただ、日本人のように話の途中で何度も頷くというより、相手の発言を理解したことや、同意・反応を示す場面で使われる傾向があります。
日米の会話を比較した研究では、日本語会話では短い発話や頭の動きなどの「バックチャネル(聞き手からの反応)」が、アメリカ英語の会話よりも多く観察されています。
そのため、日本人が英語圏の人と話すと、
「相手が全然頷いてくれない」
と感じることがあります。
しかし、実際には
「聞いていない」わけではありません。
日本人とアメリカ人では、聞いていることを示す方法が違うのです。
「頷かない=興味がない」ではない
ここは英会話をするときにも注意したいところです。
日本人は、相手が話しているときに頷きが少ないと、
「ちゃんと聞いてくれているのかな?」
と不安になることがあります。
しかし、アメリカ人があまり頷いていないからといって、
興味がないとは限りません。
日本語の会話では、聞き手の反応が比較的頻繁に入ります。
一方で英語の会話では、日本語ほど頻繁に聞き手が反応を入れないことがあります。
研究でも、日本語と英語ではバックチャネルが現れるタイミングそのものに違いがあることが指摘されています。日本語では文末表現などをきっかけに相づちや頷きが生じやすい一方、英語では文法的な発話の完了が重要なタイミングになるとされています。
つまり、
日本人「聞いています!」
アメリカ人「……(聞いている)」
という違いが起こることがあります。
日本人が英語を話すと「頷きすぎ」になることも
この違いは、英語を話す日本人にも表れます。
日本語で身についた会話の癖によって、英語を話しているときにも、
「うんうん」
という感覚で頻繁に頷いてしまうことがあります。
実際、日本人の英語コミュニケーションでも、日本語で身についた相づちや頷きのスタイルが英語に持ち込まれることが指摘されています。
本人としては、
「ちゃんと聞いていますよ」
というつもりでも、文化の違う相手からすると、少し違った印象になる可能性があります。
日本人とアメリカ人では「会話の参加方法」が違う
この違いを単純に、
「日本人は頷く文化、アメリカ人は頷かない文化」
と考えると少し誤解があります。
むしろ、
「聞き手が会話にどう参加するか」
の違いと考えたほうが分かりやすいでしょう。
日本語では、
- 頷く
- 「うん」と言う
- 「へえ」と言う
- 「そうなんですね」と言う
- 「なるほど」と言う
など、話している人に対して頻繁に反応を返します。
これによって、
「あなたの話をちゃんと聞いています」
ということを伝えます。
一方、アメリカ英語では、日本語ほど頻繁に聞き手が反応を入れなくても会話が成立します。
そのため、日本人から見ると、
「反応が少ない」
ように見えることがあります。
アメリカ人と話すときは「沈黙」を怖がりすぎない
この違いを知っておくと、アメリカ人との会話で少し気が楽になります。
日本人は相手の反応がないと、
「ちゃんと伝わっているかな?」
「つまらないと思われているかな?」
と考えてしまうことがあります。
しかし、相手が頷いていないからといって、必ずしもそうとは限りません。
相手は普通に話を聞いていて、話が一区切りついたところで、
「Yeah.」
「Right.」
「I see.」
などと反応することもあります。
つまり、
日本人の感覚で「反応がない=興味がない」と判断しないこと
が大切です。
まとめ
アメリカ人は日本人より頷かないのか?
答えとしては、
「一般的に、日本人のほうが会話中の頷きや相づちが多いという研究結果がある」
と言えます。
ただし、
「アメリカ人は頷かない」わけではありません。
日米では、
- 頷きの頻度
- 相づちを入れるタイミング
- 頷きが意味するもの
- 聞き手が会話に参加する方法
などに違いがあります。
特に日本人にとって重要なのは、
「頷き=必ずしも同意ではない」
ということです。
日本人は相手の話を聞いていることを示すためにも頻繁に頷きます。
一方、アメリカ人との会話では、日本人ほど頻繁に反応が返ってこなくても、ちゃんと話を聞いている可能性があります。
海外で「相手が全然頷いてくれない」と感じたときは、
「自分の話に興味がないのかな?」
とすぐに考えるのではなく、
「そもそも会話の反応の仕方が違うのかもしれない」
と考えてみると、文化の違いが見えてきます。
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